香木堂が挑む「47都道府県 酒粕かりんとうプロジェクト」

 添加物ゼロのかりんとう製造・販売を通じて、地域資源の活用と新しい食文化の創造に取り組むのが広島県東広島市に本社を構える株式会社香木堂。特に注目を集めるのが、全国の酒蔵と連携し、各地の酒粕を活用した「酒粕かりんとう」。香木堂の酒粕りんとうの可能性を全国に広げる「47都道府県プロジェクト」を紹介する。

香木堂が挑む「47都道府県 酒粕かりんとうプロジェクト」

 広島県東広島市に本社を構える株式会社香木堂は、添加物ゼロのかりんとう製造・販売を通じて、地域資源の活用と新しい食文化の創造に積極的に取り組んでいます。

 その中でも特に注目を集めているのが、全国の酒蔵と連携し、各地の酒粕を活用した「酒粕かりんとう」を開発するプロジェクトです。これは、香木堂のかりんとうが持つ可能性を全国に広げる、壮大な「47都道府県プロジェクト」として展開されています。

①全国に広がる酒蔵ネットワーク

 香木堂の代表である池田久美社長は、全国の酒蔵から出る酒粕を使ったかりんとうの開発に挑戦しています。2009年、偶然複数の酒蔵の酒粕を味見した際、酒蔵によって酒粕の味が異なることに気づき、甘酒の原料となる酒粕とかりんとうの相性の良さから、本格的に開発に取り組むことになりました。

 このプロジェクトは、日本全国の酒蔵との連携を基盤としており、その広がりは47都道府県にわたります。地元東広島市の金光酒造合資会社の他、北海道の上川大雪酒造株式会社、青森県の八戸酒造株式会社、東京都の石川酒造株式会社、京都府の白杉酒造株式会社、そして最南端では沖縄県の泰石酒造株式会社まで、地域を代表する多くの酒蔵が連携先としてリストアップしています。

②金融機関とブレーンによる強力なサポート

 全国規模での連携を可能にしている背景には、池田社長の持つ豊富な人脈はもとより、同プロジェクトをサポートしている弁護士兼利き酒師、そして、私がビールメーカー時代に多くの酒蔵さんと接点があったことにあります。加えて、兼ねてより私が懇意にさせて頂いていた地域金融機関もこの連携を後押ししていただいてます。大分県地盤の豊和銀行は、大分県日田市のクンチョウ酒造を紹介いただきました。その後、同銀行の持つネットワークにより、宮崎・鹿児島・佐賀・長崎の酒蔵も加わっていただけることになりました。

③高い品質と地域性

 香木堂の酒粕かりんとうは、その高い品質と地域性が評価され、令和5年5月に開催されたG7広島サミットの公式プログラムおよび関連行事において、プリンスホテルと国際メディアセンターで提供されました。

④全国へかりんとうの魅力を発信

香木堂は、酒粕かりんとうを通じて、日本各地の酒蔵の個性を表現し、埋もれていた酒粕に新たな価値を与えています。この「47都道府県プロジェクト」は、全国の優れた地域資源を結びつけ、地方創生と新しい土産物の創出を目指す、挑戦的な取り組みとして注目されています。池田社長は、このかりんとうを「もみじ饅頭くらい広島土産として認知を目指す」という目標を掲げており、今後のさらなる展開が期待されます。

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