◎地域金融機関として今、何故、「企業版ふるさと納税(地方応援税制)」を推進するのか

地方自治体が推進する課題解決事業(=地域再生計画)の中で、特に優先度の高い事業に対し、民間企業の力を注入し、解決スピードをアップさせるコーディネーター役として、「企業版ふるさと納税」の活用を民間企業に推進して行きます。民間企業にとっては、「企業版ふるさと納税」を行うことが、ESG経営、そしてSDGs活動に繋がっていくことを伝え、理解いただき、普及させていきたいと考えています。

◎地域金融機関として今、何故、「企業版ふるさと納税(地方応援税制)」を推進するのか

共通すること

「それぞれの地域に暮らす人々が安心安全で持続的に生きていける世の中を作る」

そのためには、地方行政を担う地方自治体、その地域で利潤を得る民間企業、そして その地域に暮らす一人ひとりが将来に責任を持って行動する、地域に貢献していく、ということに異論がある人はいないと思います。

でも何から始めたらよいか

行動を具体化する必要があります。特に今、少子高齢化による人口減少問題、地球温 暖化の影響による自然災害の多発、エネルギー資源の問題など優先度の高い課題があります。

地域金融機関として出来ること

地方自治体が推進する課題解決事業(=地域再生計画)の中で、特に優先度の高い事業に対し、民間企業の力を注入し、解決スピードをアップさせるコーディネーター役として、「企業版ふるさと納税」の活用を民間企業に推進して行きます。民間企業にとっては、「企業版ふるさと納税」を行うことが、ESG経営、そしてSDGs活動に繋がっていくことを伝え、理解いただき、普及させていきたいと考えています。

「参考」

・持続可能な開発目標として2015年に国連総会で採択された目標:「SDGs」

・SDGsを達成するための手段:「ESG経営」

・ESG経営とは、「Environment=環境」、「Social=社会」、「Governance=企業統治」の頭文字をとった言葉で、企業が長期的に成長し続けるためには、この3つの観点で事業リスクや事業機会を長期的に把握しなくてはいけないという考え方

・E:環境分野(Environment)の考え方

環境分野では、再生可能エネルギーの使用や二酸化炭素排出量の削減、廃水による水質汚

染の改善、生物多様性の確保などの視点を持った事業展開が求められる

・S:社会分野(Social)の考え方

社会分野では、ワークライフバランスの確保や労災対策、地域社会への貢献などの視点が求められる

・G:企業統治(Governance)の考え方

企業統治とは、社外取締役の活用や業績悪化に結び付く不祥事の回避、リスク管理のため

の積極的な情報開示などの取り組み

・「地方応援税制」とは、地方公共団体が行う地方創生を推進するうえで効果の高い一定の

事業に対して、法人が行った寄附について、寄附金の損金算入措置に加え、法人住民税税割額及び法人事業税額から控除する制度

「企業版ふるさと納税」を普及させるための、金融機関としての役割

①「企業版ふるさと納税」のルールを分かりやすく説明し、企業ごとに見合った寄附の提案をプランニング

・地方自治体が内閣府へ申請し、承認された「地域再生計画」への寄附

・本店所在地の地方自治体へは寄附ができない

 ※企業に見合った地方自治体の「地域再生計画」の紹介を行う

・「税額控除」の仕組みには上限がある(寄附の目安がつく)

 ※妥当な寄附金額のアドバイスを行う

・「物納」ができる(自社製品で寄附ができる)

 ※企業の新商品の普及・PRに繋げる橋渡し役を行う

・「人材派遣型」の寄附がある(自社の人材の利活用ができる)

 ※企業の再雇用の新しい活用方法の提案を行う

・「時限立法」である(令和10年3月31日までの制度)

②寄附を実施した後の事業の成果報告

企業が「企業版ふるさと納税」を実施した後に、「地域再生計画」のなかでどのように活用されているかを企業に報告します。そうすることで、今まで以上に地域の課題ニーズに関心を持っていただき、ESG経営との連動性を高めていただき、継続した寄附に繋げていきたいと考えます。その結果、持続可能な社会の実現可能性が高まることになります。

具体的な取り組み

地域金融機関として、大きく3つの地域課題のテーマに取り組んでいます。

「再生エネルギーの活用」、「防災強化」、「まちの賑わいづくり(人口減少対策)」です。

①再生エネルギーの活用の取り組み事例

・EV車を公用車として物納

     自動車ディーラーが販売する各種EV車を物納していただきます。地方自治体の公用車のEV普及率は数%~10%程度にとどまっているのが現状で、この普及率の向上を支援します。企業にとっては、販売店のある地方自治体へ物納することで、直接的に再生可能エネルギーの活用に貢献することになり、また寄附後の車検やメンテナンス、タイヤなどの付属品の購入につながる可能性があります。

最近では、EVバスを路線バスやスクールバス、コミュニティバスとして物納する橋渡しも行っています。今後は自動運転車の物納も取り組んでいく予定です。

さらに、EV車の物納と合わせて、EV充電器や蓄電池、さらにはソーラーカーポートの物納の橋渡しも、それらの商品を作るメーカー、流通させる商社、設置工事する工事事業者に物納していただく提案を行っています。それぞれの商品分野の垂直展開・横展開(同業他社)による、「企業版ふるさと納税」の普及活動を行っています。    

②防災強化の取り組み事例

・能登半島地震への復興支援

     能登半島地震の影響が甚大だった地方自治体の復帰支援事業に「企業版ふるさ

と納税」の物納制度を活用して、防災関連商品を扱う事業者のみならず、復興に何らかの形で応援したい企業にこたえるため、防災強化につながる物納の橋渡しを積極的に行っています。非常用の発電機・蓄電池、非常用の保存食・保存水、テント、簡易トイレ、トレーラーハウスなど多岐にわたっています。

    ・ドローンの物納にも取り組んでいます。災害時に人が行くことができない場合の災害状況確認や、近年の熊対策、老朽化した橋梁の点検など、夜間雨天を問わず活用することができます。空き家対策(上級からのモニタリング)や観光スポットの映像取得にも活用できます。

③まちの賑わいづくりの取り組み事例

・公用の遊休スペースを活用したまちの賑わいづくり支援を行っています。たとえば、飲食店舗用のトレーラーハウスの物納を行うことで、観光スポットの魅力を高めます。また宿泊タイプやトイレ専用トレーラーハウスなども物納可能で、利便性の向上にも繋げます。地元の事業者がチャレンジ店舗として使用することも可能ですし、移住・定住のトライアル宿泊施設としての活用も可能です。今後はインクルーシブな屋内型の遊び場の物納にも取り組んでいく予定で、まちなかの賑わいを創出し、関係人口の増加につなげたいと思います。

地方自治体の皆様、企業の皆様と、ぜひ地域課題ニーズの解決をともに取り組みさせていただき、持続可能な社会の実現に取り組んでいきたいと思います。

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吉岡 正 =福井銀行営業支援グループ サステナビリティ支援室長

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